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剣術・杖術・短刀術 広域指導資格認定合宿レポート

令和3年1月10日開催


令和3110日・11日の2日間、東京都立川市近郊において合気道S.A.主催による実戦合気道 剣術・杖術・短刀術 広域指導者資格認定合宿が開催された。

今回は全員が合宿経験者であり有段者である事から通常の武器術合宿の流れとは異なり、参加者全員の同意の下に基本から徹底的に見直す事となった。

最初は短刀術である。

先ずは立ち姿・礼からのチェックとなった。ただ漠然と立つのではなく、何か起これば直ちに攻撃態勢を取れるような気構えを持つ事が重要である。礼についてもただ腰を曲げて頭を下げるだけの礼ではなく、目線・角度・動き等より武道的な礼となるように櫻井代表師範から厳しい指導が入る。

今まで立ち姿・礼についてはこういう意識が乏しく、自分自身、漠然と考えていた事に初めて気がついた瞬間であった。

 

次に構え・基本打ちである。

構えについては姿勢・短刀を持つ位置・角度・開き具合等について道場の鏡で自分をチェックしたり、グループに分かれ各々がチェックし合ったり、また代表師範もその都度気になる点につきアドバイスを与え修正をしていく。

基本打ちについても振りかぶりの大きさ・短刀の向き・角度・力の発生、乗せ方・打ち込み等につき同様に修正を行う。基本打ちでシッカリとした形で打ち込みが出来ていなければ、当然相手が居る相対では更に形が崩れる事になるので、ココでシッカリとした修正が必要となるのである。

“無くて七癖”とはよくいう言葉であるが、いかに普段気をつけていてもどうしても自分では気づき難い動きの癖がついてしまいがちであり、そういう細かな点についてもシッカリと修正が出来た事は幸いである。

 

次に杖術である。

まずは礼と構えである。杖の持ち方・位置・手の位置・目線・角度等、注意すべき点が多々あった。短刀・剣については構えの姿勢は体術と同様であるが、杖については半身になっての構えで杖特有のものであり、立ち姿・足や手の位置・幅・角度に至るまで様々な注意点があった。また構える時においても漠然と構えるのではなく、相手に突き込む攻撃の意識で構える事が重要であるという。

 

基本打ちについては杖を当てる位置・上段打ちでの突き込み・小さなストロークでの力の乗せ方・逆打ちでは下がらない・手は身体の前方・身体全体で打ち込む・両手の絞り等々…様々な注意点の確認と修正を行った。

最後に剣術である。

まずは立ち姿、それて礼から構えであるがこれについても短刀・杖と同様に様々な注意点があった。基本打ちについても剣の角度・位置・振りかぶり・力の発生・乗せ方・突きについて様々な注意点があり、上げるのではなく振りかぶる・下からの力で振りかぶる・手で打たない・持ち手を強過ぎない・身体全体で打ち込む・両手の絞り等気をつける所が沢山あり、それらについて確認と修正を行った。

基本打ちまでが一通り終了して今度は相対へと入る。

 

まずは短刀相対である。

相対については型稽古の為の稽古であってはならず、ただ単にお約束の流れではなく実際に当たる間合いでギリギリの緊張感の中での見極めによる見切りと攻撃、それが大事であるという事を再認識させられた。

そうした稽古の積み重ねが数年・数十年先に大きな違いとなって現れるとの櫻井代表師範の言葉である。実際に何十年と指導を行い稽古を見続けている代表師範の言葉の重みを感じたのである。

初日の稽古はここまでとなった。

 

 

2日目は初日の復習・確認を行い、杖相対、そして剣相対へと入る。

杖相対・剣相対についても短刀と同様に杖の当てる場所・攻撃の届く間合いに注意を払い、実際に当たる間合いでギリギリの緊張感の中でも見極めによる見切りと攻撃について確認と修正を行なったのである。

今回の合宿について文章にしてしまうと簡単なものであるが…

通常は武器取りまでも一通り終わらせる事が出来る合宿において、構え・基本打ち・相対までだけを合宿中にミッチリとやり込んだというのはいかに内容が濃いものであったのか想像がつくのではないだろうか??

余りに書く事が多過ぎて大まかな流れを紹介するに止まってしまったのは非常に残念である。

 

通常の稽古においては時間の都合と稽古内容のバランスにより、どうしても構え・基本打ち・相対に時間を割く事は難しい。こういう機会は本当に貴重なのである。私自身、気になってはいるがまだ掴み切れてない“武器術と体術”の関連や連動・理合について代表師範に色々とお話を伺う事が出来たし、構え・基本打ち・相対で疑問・気になっていた点につき細かく確認と修正を行う事が出来た。

勿論、合宿で学んだからといって直ちに癖を無くしたり、出来ない事が出来るようにはなる訳ではない。しかし今後の稽古の指針となり目指す正しい方向性を示してくれるものである。

 

合気道S.A.の門下生、他流派の方々問わず現状に満足出来ず疑問や悩みをお持ちの方々は是非とも積極的に合気道S.A.の講習会・合宿等に参加する事をお勧めする。

そうすれば、きっと“目から鱗”の体験が出来る事であろう!

<合気道S.A. 広報部>