No.8 『修行について』
合気道S.A.では、合気道を修行するうえで「合気道と人生の融合」を唱えているように、ライフワーク的に修行に取り組むことがベストであることはいうまでもない。ただ、指導をする側が、初心者に対して指導者と同じレベルの指導を行っていたのでは、初心者には頭で理解できても掴みどころのないものになってしまいがちである。

しかし、はじめ初心者であった人も、3年、5年と修行を積めば、合気道的な体の運用法や頭脳的理解度はレベルアップするものである。それが10年ともなれば、やっとではあるが合気道の初期的感性や理解度が体感できるようになる。この体感が感覚として理解できれば、今までなんとなく行っていた動作や技法が、どこに中心をおいて行えばいいか、どこから力を発すればいいか、が理解できるようになる。この段階で初めて、頭脳と体が合気道を「武道」として取り込むことが出来るスタートラインについたといえる。

何事もそうであるように、10年という期間が最低必要な時間の区切りであるようだ。指導者の選択と修行方法に問題がなければ、この「10年」を過ぎた頃から、合気道の基本動作や基本技法の運用法が理解でき、奥の深さや面白さがわかってくる。合気道の修行とは、私の経験も踏まえてこのようなものである。

この10年間という期間は、1日何時間も稽古をしても週1日の稽古しかしなくても必要な時間である。たとえば、毎日何時間も稽古したとしても、2〜3年で終わってしまえばやはり2〜3年は2〜3年なのである。修行するという意志があれば、時間とともに頭脳と体が感覚的にまとまりやすくなってくる、その試行錯誤に要する時間が10年間という時間なのではないだろうか。

合気道を始めてまだ間もない人は、心と体のバランス取りには時間がかかるものとして、あせらずに修行に励んでいただきたい。
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