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第四十三回 実践(リアル)合気道
広域指導者資格認定合宿レポート

 平成30年11月10・11日の2日間、東京都立川市近郊において合気道SA主催による“広域指導者資格認定合宿”が開催された。
 今回の合宿では…基本動作・体捌き・突き・蹴り・それらの捌きといった基本的な動きと、本来は級技・初段技・有段技の基本技を行うのであるが、今回は基本技ではなくそこからの派生技の稽古となった。
 代表師範により基本動作を行う際の注意点等の説明の後、まずは各人で自分の動きの確認を行い、その後グループに分かれて互いのチェックに入る。指導者合宿に参加される方々というのは…各地で実際に指導をされていたり、自分自身の技の更なる向上を目指したいと考えておられる研究熱心な方々ばかりであるので、普段の稽古においても様々な課題や目的意識を持ち日々の稽古に精進されているのは当然の事である。しかしグループ内での客観的な眼によるチェックとなると、まだまだ自分では気がつかない様々な課題や問題が浮かび上がって来るものである。
 実はこれこそが合宿における重要な意義であり、得てして独善的になりがちな動きを他者の客観的な観察眼により評価し合い、またその点につき議論を行い、時には代表師範のご意見も伺いながら理解を深めていくのである。例え初心者であっても互いに忌憚の無い意見を述べ、諸先輩方であってもそれらの意見に対して真摯に受け止める…それぞれ評価し、またされる事により互いに更なる成長が期待出来るのである。
 基本動作というものは…初心者においてはまず形を意識して、つまり末端を意識してしまうのは仕方のない事であり、また形を覚えるという意味では必要な事ではあるが、稽古を積み重ねて行けば末端を意識する事なく自然と行う事が出来るようになる。そしてその次の段階になると自身の“核”の意識を持つ事が重要となる。
 代表師範の御言葉によると“意識したからといって直ちに自身の“核”が認識出来るようになる訳ではないが、それでも自身の“核”の意識を持って稽古を積み重ねる事が重要であり、そうする事により自身の“核”が具体的にイメージ出来るようになる”そうである。
 勿論そこに到達するまでには個々人において差があるのは仕方のない事ではあるが、更なる向上を目指すのであればそこが我慢のしどころであろう。そして具体的な自身の“核”がイメージ出来たならば、次の段階では全ての動きの力の発生源を“核”とし、末端の意識を忘れ“核”からの力の発生によりそれに連動して末端も自然と動くようになるという事を目指すべきであるという。そうする事により相手に力の出所が読まれ難くなり、抵抗の出来ない技へと繋がり、体捌きにおいても物理的なスピードは然程ではなくても相手からすれば一瞬にして目の前から消えてしまうような動きが可能になるという。正に合気道を志す者達が考える理想の動きというものが実現出来るようになるのである。
 勿論、代表師範御自身も仰っておられたが、これらは師範御自身の長年の修行による経験則から生まれたものであり、それぞれ各人の経験・考え方・理解・体格・その他諸々の事情から“絶対であり唯一無二のもの”であるという訳ではなく、師範御自身もこれからの稽古の積み重ねにより、更に進化する事も変化する事も可能性としてはあるとの事である。しかし我々SAの門下生としては“単なる机上の空論”ではなく、代表師範の摩訶不思議な(とも思える)技を実際に体験する事が出来、自分達の具体的な目標を設定出来るというのは幸せな事だと考える。
 代表師範御自身は“自分は一介の修行者であり、まだまだ上のレベルを目指して修行を積み重ねて行く”と仰っておられるが、我々も諦めずに正しい稽古を積み重ねて行けばいずれは…という事であるのであるから。
 
 次に派生技である…回し打ちや内捌き等の基本技では稽古しない動きが入ってはいたが、それぞれ基本動作や基本稽古の動きの組み合わせであるので何も特別なものではない。これらに置いても重要なのは“小手先のみに意識を置かず末端は放っておき、“核”からの力の発生を意識する”という事である。それにより相手に抵抗出来ない・反応する事も出来ない技が可能となるのだ。

 合気道の技を単なる机上の空論にしてしまうか、実現可能な本物の技に出来るか否かは本人の意識・そして正しい稽古の積み重ねであると再認識させられた有意義な2日間であった。まだまだ目指す頂は遥か彼方ではあるが、そこに至るまでの具体的な道筋が微かにではあるが見えて来たような気がするのである。

<合気道S.A. 広報部>
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国際実践合気道連盟「合気道S.A.」