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オ-プンマッチ実戦合気道組手大会
試合結果

【実戦合気道組手大会 講評】

左から
田島尚樹選手・櫻井文夫代表師範
平成30年10月7日(日)、立川市近郊で合気道S.A.による実戦合気道組手大会が行われた。
本来試合のない合気道という武道において、櫻井師範が試合を導入したのは、実戦性や本当に有効な効果のある技が身についているのか?というものの検証と、ただ型だけの練習に拘泥していると効く効かない、投げられる投げられないといった形で練習している技だけを深堀りしてしまうことになりやすい事からの脱却である。

即ち、同じような状況での戦いというものがそうそう起こらない、本来の武道武術において合気道の有効性をどれだけ高められるかという所に対しての実証の一つでもあると言えよう。

実際に試合が始まる前に、櫻井師範は自身の目指すところや目指したい方向性などを言葉で説明し、瞬間的な攻防のプロセスの一部分や、瞬間的に相手を小手返しや四カ条といった技で仕留める方法などを見せた。もつれあっている状態から隙を見出し、相手の腕を伸ばしたりするのではなく、いきなり技に入る事で相手が対応するという方法論を見つけ出すこともできずやられてしまうという。
また、正面からの取り合いに終始するとスピードとパワーで行う展開の少ない攻防になりやすいため、側面から攻めるという形をとらないといけないが、かといって側面に簡単に回らせてくれるほど人間はトロくないと動きながら具体的な説明がなされた。そして技は一挙動かつ瞬間的になされると効果が高いという事も重ねて説明された。

合気道の技であれなんであれ、すでにかけられたことがあり練習を重ねている技というのは、力の流れやタイミングなどを把握しているため、その技に来ることがわかっていれば何かしら対応を行う事が可能である。
しかし櫻井師範の行ったような、相手が構えているところに対して本当の意味で「瞬間的」に技を施した場合、何が来るかわかっていて、そのタイミングもなんとなくわかっているのに、頭の理解と身体の理解のどちらもが追いつけず、まるでやらせのようにストンと技がかかってしまう。

知らない人間がみたら演武との差はわからないだろうが、そこには明確な差がある事は皆が感じていた。

試合が始まると皆、冒頭の櫻井師範の言葉が残っているのか、正面から行くのではなくちゃんと側面からの攻めや力と速度だけでない攻防をやろうと各自の努力が見て取れた。

なかでも田島選手と木村選手の試合は非常に興味深いものとなった。お互いが常に動き回りながら側面を狙い、それに対してさらに対応して側面を狙うといった、傍目では穏やかに見えるものの実際にはお互いがひたすら横に回り込んで技を掛け合い続けて相手の隙を狙うという攻防である。大会でも非常に珍しい、「指導」や「やめ」が一度も入らず終わったという美しい静寂を伴った激しい試合だった。

また、膠着をほぼ一瞬も許さないという形のため、面白い動きを見せる選手も何人かいた。

東山選手は相手の軸足を一瞬作らせ、その軸足を固定状態にさせたまま自分だけが半歩動くという、いわば「相手は動けず自分だけが動く」というような動きを駆使してポジション取りを優位に進めた。合気道技で相手を仕留める攻撃力が身についてきたら、勝敗に直結するものになる可能性がある動きといえる。

桜井選手は相手に片腕をとられて崩されそうになっても、上半身を崩される事なく足でついていくことで体勢を戻す事が出来ないほど崩される事はないようになっていた。以前はどうしても上半身だけが前傾してしまっていたため、大きく崩されると本当に崩されてしまっていたが、しっかりとそこを見直して調整してきていたのは尊敬すべき努力であると感じた。

皆がただ試合に勝つための練習をしてきてそれをもって試合に臨むという形ばかりでなく、それぞれの課題や得意な動きに磨きをかけ、それが本当に通じるかどうかを試すという意味で試合を活用するようになってくると、試合の意義もまた少しかわってくるだろう。
【実戦合気道組手大会 結果】
優秀賞 田島 尚樹 (合気道S.A.昭島)


合気道組手解説


田島尚樹選手(左)木村圭吾選手(右)
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国際実践合気道連盟「合気道S.A.」